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アオくんの家

コミュニティと共に成長するということ 2019.04.05(Fri)

アオイエによく遊びにきてくれる人々の中に、しきくんという小学生の男の子がいます。

しきくんは数年前から遊びに来てくれていて、住人はその中で、しきくんのちょっとした変化を感じてきました。

そんなしきくんの成長には、少なからずアオイエの影響もありそうです。

アオイエのようなコミュニティと共に育つということは、どういうことなのでしょうか。

今回、しきくんと共にインタビューをさせてもらったのは、元住人で、しきくんといちばん長い時間を過ごしてきた智博くんと、子供が大好きなあいりさん。

二人はそれぞれ、普段しきくんに対してどんな思いで接していたのでしょうか。

コミュニティの中で誰かと接しながら成長することの良さを伺うべく、お話を聞きました。


しきくんとの思い出話も交えながらの、楽しくも深いトークとなりました。



アオイエでの思い出


ー遥(=インタビュアー):智博くんとは、どんな思い出がある?



しき:一緒に京都に行った。京都のアオイエに泊まって、いろんなことをしたよ。



智博:一年前の夏だったかな。いろんな場所をまわったね。でもほとんどアオイエにいて、京都のみんなにかわいがってもらったな。それから、一緒に餃子も作ったよな。



しき:うん。ちひろが一個だけわさびを入れろって言って。それ誰が食べたんだっけ?



智博:俺だよ(笑)しきがバカみたいに入れるから丸見えで。そんなに入ってるのに食べさせるわけにはいかないと思って、俺が食べてあげたよ(笑)



ー遥:思い出と言えば、試験のときに何か事件があったと聞いたけど?(笑)

(智博くんは昨年夏ごろ、ある試験に向けて、力を入れて勉強をしていました。その試験に受かれば海外へ数年滞在することになるという、大事な試験。智博くんが頑張る姿を、ずっと近くで見ていたしきくんですが、応援はしつつも、行ってほしくないという気持ちも大きかったようです。結局、智博くんは残念ながら通らなかったのですが、彼がその結果を家族会議の中で伝えた瞬間、同席していたしきくんが「やったーー」と大声を出して喜ぶ、という出来事がありました。)



智博:たしかにあのとき、落ちたのに全力で喜ばれてた。(笑)

でも実は試験より前に、しきにいいものをもらってたんだよね。それは、僕がすごく集中していた時期。

その時期は、僕はたいてい机のある二階の部屋で勉強して、しきが来てもいつものようにはかまってあげられないくらいてんてこまいになってたけど、これが机に置いてあるのを見つけたときは、思わず写真とったな。
(試験前の切羽詰まった時期に机の上に置いてあった、しきくんからの手紙。「ちひろがんばれ」のひとこと。)



子供と向き合うときに、大事にしたいこと


ー遥:しきくんをよくお世話していたけれど、二人はどう育てられてきたの?



あいり:私の小さい頃は、おばあちゃんが寛容で、「片付ければいい」という考えでなんでもやらせてくれていた。たとえば、新聞紙を破ってばらまいたりとか。

だから、前にしきが家で流しそうめんをしていたときに、その機械をひっくり返して家をびしょびしょにしたことがあったんだけど、私も片付ければいいと思っているから、止めたりはしなかった。

自分がされてきた子育てのやり方で、自分も真似したいと思っていることはある。

私のお父さんは、私が「〇〇って何?」「〇〇ってどうなってるの?」って聞くといつも、「なんでだと思う?」って聞き返して、すぐに答えを教えずに考える時間を与えてくれてた。

そうやって、「なんで?」を考えさせてくれたおかげで考えるくせがついて、今に生きていると思うから、それは自分も真似したいと思う。ー遥:智博くんはどう?



智博:やっぱり、自分の原体験を重ね合わせて考えていることはけっこうあると思う。だから、しきのことも当時の自分と重ね合わせて見ていて、しきに対しては対話を心がけるようにしてる。子供って、「あれがしたい!」とか「これが食べたい!」とか、目の前のものへの膨れ上がる欲求が抑えられなくなっちゃう。自分がそうだったからよくわかるんだけど、だからこそ、論理的に、優先順位を説明してあげる。「本当に、今目の前の欲求に従うことが正解なのか?」っていう問いを投げる。

それから僕は、ある一人の恩師のアドバイスがきっかけで上京を決意した過去があって。

感謝している一方で、そのたった一言で自分の人生が動いたと思うと怖さもある。

だから、自分で考えることが大事だと思ってる。

自分でした決断や選択は後悔にはつながらないから。あとで振り返るとベストとは思えない選択でも、それは自分で決めたことだし、そのとき見えてた中では最適解だったはずだから、納得できると思う。

でも、自分の中で選択肢に優先順位をつけて、今何をすべきか考えられていないと、忙しさにかまけたり、人の言ってることに流されたりして、あとで後悔することになる。だからしきにも、ちゃんと考えた上で選択してほしいな。



子どもにとってのコミュニティの存在


ー遥:「アオイエに住み続けて子育てをしたい」と言っている住人もいるけれど、二人はそれぞれ、将来どんな風に子育てしてると思う?



あいり:私は、自分の子供は自分一人では育てられないと思う。

私自身、いろんな人にお世話してもらって育ってきて、その人たちの様々なエッセンスで自分ができている感じがするし、早い段階から「親が全てじゃない」と思えたという意味でも、たくさんの人に育てられることが、私にとってはよかった。

それに、夫婦でも二人の考え方はもちろん全然違うけれど、やっぱり、「どういう子に育ってほしいか」についての考えは似てくる。

そこに対する別の価値観は家の外からしかもらえないと思うから、自分の子供もたくさんの人に育てられてほしい。



智博:僕も、自分の子育てに、「いろんな人に育てられる」っていうエッセンスは入ると思う。

子供が自分の色に染まってしまうのが怖いから、さまざまなバックグラウンドを持った人のいる環境においてあげたい。

だから、「いろんな人に育てられる」っていう意味では、シェアハウスで育てるっていうのも一つのあり方ではあると思う。



あいり:私は、住んでいた地域や習い事のコミュニティの中で育ってきたんだけど、そのコミュニティがしっかりしていたのが良かったと思う。

だから、シェアハウスで育てたいという思いもあるけれど、コミュニティが強いことが大事だと思ってる。

シェアハウスで子育てすることに憧れはあるけれど、ずっと続けられるわけじゃないから、いずれは家の外でコミュニティを作っていくことも大事だと思う。智博:良くも悪くも東日本大震災は、自分の家族観を形成されたという意味で大きい経験だったな。



あいり:たしかに。



ー遥:当時は二人とも東北にいたんだよね。



あいり:うん。しき、そのとき生まれてないんじゃない?



しき:ううん、俺生まれてるよ。1歳。



あいり:1歳!でもそのくらいだよね。すごいなあ。(笑)



智博:震災の日は、たまたま友だちの誘いを断って、ひいおばあちゃんと一緒にいた。突然地震が来て、おばあちゃんが動けないから、おばあちゃんにふとんをかけたりして落ちてくるものから守ったりしていたんだけど、すごく不安だった。

携帯が使えなくて誰にも連絡が取れないし、まわりに誰も大人がいなくて。

そのときに、「答えがない中でも自分でちゃんと考えて、どんな正解を出せばいいのかを探さなきゃいけないんだ」って思った。その出来事が自分の中で大きな価値観の形成だったように思う。

自分の子供には、そういう非常事態に泣いているような子供にしたくないから、「なんでする必要があるのか」、「誰のためにやってるのか」というのを、考えられるような子に育てたい。



しきくんに伝えたいこと


ー遥:この機会に、しきくんに伝えたいことはある?



あいり:早く一緒に飲みたい(笑)

しきが二十歳になるのをすごく楽しみにしてる。

私たち、そのとき35歳だ!その頃には自分の子供もいるだろうね。



智博:そして、自分の子供をしきに面倒見てもらう。それいいな。



あいり:それは感動するね。



しき:ちゃんと給料はもらうよ?



遥:(笑)智博:しきに対しては、特に、「こうなってほしい」っていうことはない。それは僕のエゴだから。

今回は僕たちの子育て談みたいになったけど、正直しきに対して子育てしてる感覚はない。



あいり:私もそう。私は、小学生はもう大人だと思ってる。

だから、しきに対しても、子育てをしている感覚じゃない。一緒にいると楽しいから、一緒にいるだけ。



智博:でも、すごく面白い年齢差だとは思ってる。

兄弟としては離れてるけど、子供としては近すぎるっていう絶妙な年齢差。

だからこそ、自分がしきに対してどうふるまえばいいのかについてはすごく考えたこともあった。

今でも手探りの中でやっているけど、一つ見つけた答えとしては、カジュアルに、フラットに接すること。

ただ、自分が考えていることはちゃんと伝えたい。

それは、しきに対してだけでなく、どの相手に対しても一緒だけど、自分の意思はしっかり伝えるし、意見があったらちゃんと言う。


僕たちとしきのように、年齢差のある人どうしが対等な関係で接することができる、このアオイエのような環境が、これまでの家族のあり方を変えていってくれていると思うよ。



編集後記


今回のインタビューでは、「一緒にいて楽しいから一緒にいるだけ。」という二人の言葉にはっとさせられました。

それが、年齢に関わらず対等に向き合う、ということの本当の意味であり、またそれは、これからのコミュニティのあり方の一つの答えでもあるのかもしれません。

智博くんをはじめ、アオイエのお兄ちゃんお姉ちゃんへの思いをときどき垣間見せてくれる、照れ屋さんのしきくん。

アオイエの中で、いろんな価値観に出会いながら成長していく彼の今後が、ますます楽しみです。


(インタビュー/編集/写真 吉本遥)


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